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好き勝手に漫画の感想を書くブログ

最近は峰浪りょう先生が好きです

峰浪先生デビュー作! かげろお

峰浪りょう 読み切り

かげろお

2007年のヤングサンデーに掲載された、峰浪りょう先生のデビュー作です。
峰浪先生は2006年夏に第58回新人コミック大賞の青年部門で佳作を受賞して、本作品でデビューされました。

(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 253ページ、 著者:峰浪りょう

表紙のアオリは「17歳のカラダ、ココロ鮮烈ラブソング22P!!」です。
みずみずしき俊英、登場!

あらすじ

(あくまで私の主観でまとめたあらすじです)

主人公は女子高生の綿蔵のり。
クラスメイトで同じ剣道部員の砂原のことは、好きという訳ではないけど、砂原が性的なことに興味があるかや、自分をそういう対象と思うかをつい考えてしまう。
しかし、生理不順で突然の出血を砂原に気づかれるという珍事件が起きても、砂原は何も言わず気にしていない様子を見せる。
友人の陽さえは恋愛(セックス)の話題ばかりなのに、のりは部活のない日も父親と剣道の稽古。
そんな時でも、ふと砂原に性的な目で見られることを想像してしまう。
ある日、のりは部活の後に昇級試験の為に砂原と2人で居残り練習をする。
その練習中に、少なくともこの瞬間は砂原と自分はすべてを共有していると、心地よさを感じるのり。
そんなのりを見て、陽さえは「のり、セックスしてた」と言うのだった。

感想

この読み切りを読んだのは、峰浪先生の連載作品を読んだ後だったのですが、最初の感想は「峰浪先生なのにセックスしてない!!」でしたね。
いや、陽さえはしてたって言ってるけど。

(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 258ページ、 著者:峰浪りょう

生理不順で突然の出血。そしてその血を砂原に踏まれる!
この作品で最もインパクトのあるシーンはこれでしょう。
こんなシーンよく思いつくな! 凄いな峰浪りょう
先生は自身の性別を明言していませんが、これ男性作家には思いつかない気がします。

(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 263ページ、 著者:峰浪りょう

鏡を見て「キラキラしてて、きれいだね。」というシーン。
この作品中で1番好きな表情です。
これ、もちろん鏡そのものがきれいだと言っているのですが、同時にきれいな物を集める行為や鏡で外見を整える、といった女子高生らしさにのりが何かを感じている様子が現れていて良いと思います。

(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 262ページ、 著者:峰浪りょう
(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 272ページ、 著者:峰浪りょう

陽さえがのりの練習を覗き見した際に呟いた「自分こそ」というセリフ。
これが何を指すのかは、おそらくのりが言った「発情期のメス犬」だと思います。

陽さえから見ると、砂原と稽古している時ののりは発情していて、稽古がセックスなんですね。
誰かと何かを共有すること、誰かと繋がりたいと思うこと、それがこの作品で「セックス」と表現されているのだと私は思います。

かげろおは、普通のラブコメや恋愛もののように、男女が交わることで物語が進行する作品とは少し違いますが、17歳が感じる性や、それを越えて普遍的な恋愛の意味を問う、峰浪先生らしい作品です。
峰浪りょう先生の作品に共通する孤独感がデビュー作ながら出ていて面白かったです。

それにしても剣道で三段の昇級試験受けるのか~、凄いなあ。
私は練習がとにかく嫌で、小学生の時に親に泣いて頼みわずか1年弱で剣道を挫折した過去を持つので、剣道をやる中で物語が進む本作品は、それだけで主人公の努力にリアルを感じました。
親が剣道の先生をやっていることから、のりも元々は親に勧められてなんとなく続けているとか、そういう背景があるのかもしれません。
その剣道で、のり自身が誰かと何かを共有できるまで真剣になっているのだと妄想すると、単純な性の話とはまた違った面白さを感じます。

おまけ

(出典:週刊ヤングサンデー増刊20072月増刊号 275ページ)


かげろおが連載されたヤングサンデーで、次の作品も新人の読み切りっぽいのですが、ハシラのコメントが「期待の俊英鮮烈なるデビュー」と、峰浪先生の紹介とかなり被ってます。これでいいのかヤングサンデー

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